同好の士   

人生の中で、子どもの頃、学生時代、社会人といろいろな経験をしますが、その中で、何人かの、あるいは十数人の親しい人々との交わりが生まれます。クラスメートのこともあれば、近所の人の場合や、学校、社会人になってからの趣味をきっかけに、気が合う人たちとの出会いもあります。

たとえば、映画であれば、好みのジャンルや監督さん、俳優さんの好みなどで、一緒に行って、感想を語り合い、二人分、三人分の感動を持ち帰ることも可能です。コンサートもまだそれに近いかもしれません。しかし、演劇や伝統芸能となると、触れる機会も少なく、興味を持つ人も限られてくるように感じます。

先日、松山で、「囃子堂」という能楽囃子方の公演を拝見してきました。客席には、数人のグループの方々の姿があちらこちらで見られました。習っていらっしゃる方々だったかもしれません。生活が異なる人たちが同じ関心を持って集う。そういう場に参加することは、歳を重ねていくうえでも大切にするべきかと思いました。

一つでも二つでも、同好の士と体験し、語り合う時間を持っていきたいものだと感じました。